3月、4月と、気がつけば2ヶ月もこのコーナーをお休みしてしまいました。その間にもたくさんおもしろそうな本が出ているので、今月売りたい本を紹介する前に、まずはその間に発売された本で注目のものを紹介していきたいと思います。
いま一番勢いがあるのがこの2冊です。去年あたりから、“外資系”や“世界のエリート”というような言葉がタイトルに入っている本がよく売れています。中でもこの2冊の勢いはすさまじい。少し発売は前になりますが、『外資系コンサルのスライド作成術』という本もヒットをしていました。この2冊が売れ始めてから、再びこちらも売れゆきをのばしています。外資の働き方の中でも、特に資料の作り方に興味が集まっているのは、必要に迫られてという部分が大きいのでしょうか?
3つとも『外資系○○の○○作成術』というタイトルなのもおもしろいですね。今後、このタイトルを真似した本が出そうですが、そういう本を買うよりはこの3冊を読んだほうがきっといいと思います。
ビジネスモデルというキーワードが注目されはじめたのは2012年。『ビジネスモデル・ジェネレーション』が発売されたあたりからです。その第2弾の『ビジネスモデルYOU』、同じような版型の『ビジネスモデル・イノベーション』など、ビジネスモデルを解説している本は次々とヒットを飛ばしています。
『ビジネスモデルの教科書』は100社以上の実例を元に31のビジネスモデルを解説したものです。図などが多くとてもわかりやすいのが特徴で、身近な企業の事例が多いのでとっつきやすいことからヒットしているのかもしれません。
マッキンゼーに25年在籍しているトップコンサルタントが教えるマッキンゼー流の戦略の教科書。マッキンゼー出身の方の本はものすごくたくさん出ていますが、これだけ長く在籍している現役のコンサルタントが書いた本は他にないと思います。優れた戦略というのはひとことで言い表せるほどシンプルなものなんだそうです。マッキンゼーならではのフレームワークと戦略を学べる1冊です。
さて、ここからは今月発売予定の注目の新刊を紹介していきたいと思います。
フェイスブックのCEOマーク・ザッカーバーグをはじめ、ザッポスのトニー・シェイなど、世界を変えた企業トップの思考法をまとめた本です。マーク・ザッカーバーグにはなれないけど、考え方をまねすることは誰にでもできるはず。学ぶの語源はまねぶとも言いますし、まねすることで大幅なスキルアップが図れるかもしれません。個人的には今月1番発売が楽しみな本です。
名著『失敗の本質』や『戦略の本質』の著者の一人で、ナレッジマネジメントの権威でもある野中郁次郎さんが、ノルマンディー上陸作戦のために集まった連合国首脳(ルーズベルト、チャーチル、アイゼンハワーなど)のリーダーシップを分析した1冊です。『失敗の本質』同様に名著の予感大です。
フィナンシャルタイムズのベスト経済書や、ウォールストリートジャーナルのベストノンフィクションにノミネートされるなど、欧米でとても評価の高かった『The Bankers’ New Clothes』が翻訳され刊行されます。専門家の主張を次々と論破し、いまの銀行の本当の姿をあぶり出す1冊だそうです。532ページで4000円と、かなりボリュームがありますが、同じ価格の『国家は破綻する』がよく売れていたので、これも同様の売れ方をするのではないかと期待しています。
最後に紹介するはHONZの客員レビューでもおなじみ、ライフネット生命保険会長兼CEOの出口治明さんが日経ビジネスオンラインで連載しているコラムをまとめたものです。
ビジネスや悩みの解決に効く、とっておきの本が紹介されているブックガイドとのこと。客員レビューでも様々なジャンルの本を紹介されていて、その博識ぶりにはいつも感嘆しています。『仕事に効く教養としての「世界史」』もとてもおもしろかったので、これも発売が楽しみです!