11月のある日、成毛眞から一斉メールが届いた。「12月に合宿やるぞ!」
というわけで、バスを仕立てて忘年会かたがた温泉への一泊二日の旅が実行された。しかし世の中はお師匠さんも走る師走。
このうえ朝会までやるとなると、ちょっと厳しいということで、今回はメールで「12月の今月読む本」をもらうことにした。完全ブラインドなので、いつものように駆け引きはできない。先着順で掲載する。果たしてどれくらいカブるだろう。そしてHONZメンバーに人気の本は何?ちょっと興味津々。(カブった本は★が付いています)
鈴木葉月
『世界恐慌』『ノーベル経済学賞の40年』など、最近経済モノにはまっているのでこちらも買ってみました。
成毛さんおススメの『大いなる探求』も、年末に読まねば……。
「日本軍は、ロジスティクス(兵站補給)を軽視したために太平洋戦争に敗れた」という通説を覆すらしいですが、
そんな通説あったんですね。近代史のおさらいも兼ね、読みやすそうなので買ってみました。
なんてお金は持ってませんが、クリスマスも近いので、気分だけでもゴージャスになれそうな一冊を選んでみました。
仲野徹
まだ上巻しか出てませんが、超一流神経科学者の書く本。絶対お勧め!
ザ・タイガースの正史になるべき本。若者とはバッティングしないでしょう。
精神疾患診断の手引きDMS-5を批判する本。10月の出版なんですが、まだ紹介されてなかったと思います。
久保洋介
田中大輔
シリコンバレーで4半世紀にわ たって鮨・懐石料理を続けてきた佐久間俊雄氏と、そのお店に17年間通い続けたスティーブ・ジョブズ。ふたりのつながりから見えてくる「素顔のジョブズ」を描くノンフィクション。
スキップ・トレーシング(行方 不明を探索する専門家)がストーカーや探偵からの身の隠し方から、国外逃亡、死亡偽装といった失踪方法までを伝授してくれる本。最近は、ネットで炎上すると、すぐに身元が割れたり、住んでいるところがばれたり、なにかと厄介なんで、そういうことがあったときに役に立つんじゃないかと思い購入。
今年デビュー50周年を迎えたビートルズ。来年はローリング・ストーンズがデビュー50周年を迎え、来日も決定!UKロックの2大巨頭であるビートルズやストーンズがデビューした50年前のイギリスでロックというのはどういう状況にあったのか?またいまに至るまでどういう文脈で捉えられているのか?そういったことを検証した本。
村上浩
木材が人類史の中でどのような役割を果たしてきたかをみっちり解説する本のようです。原著はドイツ語です。300頁以上で2段組みなので年末ゆっくり読みます。
化学同人の同人選書なので、結構専門的っぽいです。著者は分子生物学、分子遺伝学が専門の九州大学名誉教授
オバマ政権の躓きを政権誕生時から振り返っていきます。相当多くのインタビューを積み重ねたようで、かなり内部の様子が生々しいです。
土屋敦
これいいです。旅に出たくなります~
米を干す稲架木(はざき)や、干し柿の柿屋など、食に関わる農村漁村の建築についての本です。楽しいです。
誘拐→ジャングルに捨てられる→サルと暮らす→売春宿に売られる→ストリートチルドレン→ギャング→修道院→帰属の料理人→「生物学者の夫との間に出来た二人の娘をジャングル式に教育して健やかに成長させ、今では三人の孫に囲まれ幸せに暮らしています」
という著者の前半生の本らしい。嘘でしょ、という感じ。
内藤順
カブりそうなので、誰とカブるか予想してみました。
村上浩が2冊目くらいに入れてきそう。意外に鈴木葉月あたりも油断できない。
順当に行くと田中大輔だが、仲野徹もあり得る。
表紙とジャンルから、どう考えても鰐部祥平。
鰐部祥平
帯にある“死に様とは「生き様」である”という言葉に惹かれた。斜め読みしただけでも、映画監督・深作欣二の死に際の壮絶は心を奪われる。普段は気にもとめていないが、命とは燃焼するものなのだと感じる。
★
少女の頃に誘拐され、ジャングルの中でサルと共に生き、その後もストリートチルドレンなどを経験した女性の物語。アイデンティティの形成期を失った女性が、その後どのように人生を築いていくのかに興味が湧きます。
★
黒いダイヤとも言われたラッコの毛皮。富を追い求めて、シベリアを征服していくロシア。その欲望
が現代日本の地政学にも影響を与えているとも言える。、毛皮交易と北海航路の歴史を知ることで
日本の近代史を読み解くうえで新たな視点を獲得できるのではと考え手に取った一冊。
野坂美帆
開高健ノンフィクション賞受賞作。大阪でのイベントで東えりかが熱烈に推薦していたので買うべし、と思った一冊。
ヒーローはどうせ東京でしか戦ってないんだ・・・としょんぼりしていた地方の子どもに元気と勇気を与えてくれる一冊。
★
木材を通して見る歴史概説。
遠藤陽子
★
鰐部さんあたりと重複しそうですが、平和なニッポンにおいて、とりわけ平和ボケ著しい私に今この瞬間も地球上のどこかで戦争、紛争、またその後遺症に苦しむ人がいるということをきづかせてくれる一冊です。
成毛眞
★
★
高村和久
★
Amazonの「この商品をチェックした・・」を見ると、どう考えてもだれかとカブっているが、非常に面白そうなので敢えて投入します。
今月もみすず書房を買ってしまいました。HONZはサードプレイスなのではないかという興味です。
ど真ん中に直球を投げたら意外とカブらないのではと。。
足立真穂
画家でありながら小林秀雄賞受賞の文筆家!山口晃によるエッセー漫画、待望の第二弾。
全国だるMAPやら、模様解説やら起源やら。同じシリーズの『こけし』は話題になっていた。
国民的音楽家となった木琴奏者、平岡養一の生涯を描く音楽ノンフィクション。著者も演奏家で、平岡の木琴を譲り受けたところから話は始まる。
麻木久仁子
東京オリンピックが決まり、当分はケチをつけるのも野暮、でしょうが、よりよいものにするためにも過去に学んでおこうという。
座談会といえば菊池寛。なんか手っ取り早く紙面が埋まるナイスなアイデアってことかと思いきや。文章にかくのではあらわれない思想がそこに、ってことらしいです。朝会も座談かな?
ブラックなんとかとか、ホワイトカラー何とかとか、解雇規制がどうとか。いろいろ言われるたびになんか印象で見ちゃうなーということで、働くとは何か賃金とは何かを基礎から学びたいと。
栗下直也
妻の仕事を知ることで、家庭平和につなげます。
悪女を知ることで、我が家はマシだと錯覚することにします。
★
賃金制度を知ることで、お小遣いアップにつなげます。
山本尚毅
元楽天副社長の本城さんにお会いしたときに、森のようちえんのことを教えてもらい。気になって。
シンガポール建国の父、リー・クアンユーがどんな世界の未来を見ているのか
個人だけでなく、組織が変われない理由があるらしい。
新井文月
般若心経が語る所の空(くう)について、最近、腑に落ちる出来事がありました。これを読んで検証しようかと思います。
★
ご存知山口晃画伯のゆるエッセイ。本人曰く自身は異常に存在感がないとのこと。癒されます。
解説が「若い男たちの文化風俗に多大な影響を与えた伝説のフリー・エディターにしてライター、H・テラサキこと寺央」 って誰!?で気になった一冊。
刀根明日香
★★
こんなお母さん、羨ましいな〜と不真面目ながら思いました。
東 えりか
名士の家に生まれた筆子は、明治初期の近代化女子教育を受け、ヨーロッパでの生活も経験する。日本の女子教育と知的障害者の教育と福祉に人生をささげた女性の一代記。
今では韓流ファンで賑わう新大久保。しかし20年ほど前までは「立ちんぼう」の娼婦が大勢いる様な闇の町だった。ドキュメンタリー映画の監督が見てきた裏歌舞伎町。
勝新太郎、森繁久彌、立川談志、太地喜和子、内藤陳、岩崎宏之へのインタビューと自身が監督した作品に対するインタビューをまとめたもの。渥美清のインタビュー、読みたかったなあ。
催促して催促してようやく送ってきた刀根の選書は今月の一番人気。おまけの一冊も送ってもらったのだが、こちらはもうカブりまくっていますので、少し調整します。
合宿の様子はどん尻に送ってきた刀根に報告書を書かせます。卒業記念も兼ねて。