みんな大好き早稲田乞食!最新169号は11月2日、早稲田祭にて発売!
え、古事記の間違いじゃないかって?いえいえ、乞食で合ってます!
早稲田乞食(通称ワセコジ)は1978年創刊のミニコミ誌。早稲田乞食編集部という早稲田大学の学生サークルが出版しています。誌名に眉を顰める人もいますが、その由来は「早稲田界隈の情報を乞食のように集める」こと。部員は皆、屋根のある家に住んでいます。
「乞食」の名がアンチ資本主義的に響くせいか、政治組織と間違えられることもしばしば。出店(構内での手売り)に立ち寄った初老の紳士が「どういう思想か分からないけど、応援しているよ…。」と、カンパと日本酒一升を置いていってくれたこともありました。
しかし、我々を貫く思想があるとすれば、「建設的アマノジャク精神」のみ。思想の三本柱は「ワセ飯・宗教・無茶な取材」。セクトをネタにすることはあれども、政治運動とは無縁であります。
一見怪しげなワセコジですが、面白いことが好きな人が面白いことを書くために集まって作っているに過ぎません。誌面は、学内・大学近辺で起きた出来事を検証する「瓦版」と、部員が好きなことを好き放題書く「企画」で構成されています。
と説明すると、今度はどこにでもある学生出版サークル・学内情報誌のように思えてしまうかもしれません。でも、それは大違い。やっぱりワセコジは他とは一味違うんです。次に上げる3つの特徴が、他と一線を画す大きな要因です。
1.誌面が全て手書き
線文字Aを使った出版は、世界でも早稲田乞食だけ。(多分)
2.広告を一切とらない
現在の学生出版はフリーペーパーが主流で、広告主の目を気にして「書けないこと」が出てきてしまいます。しかしワセコジは、まずい飯屋はまずいと書く。3S(Sei治、Syu教、Sex)に代表される忌避されがちな話題にも、積極的に踏み込んでいけるのです。
3.販売にこだわる
広告収入に頼らないワセコジは、雑誌の販売収入が資金源です。買うに値する情報を提供しようという気概が、誌面の質向上に一役買っている…、か?
万が一、面白くないと感じた場合も安心。ワセコジは「読む」以外の用途でもお使い頂けます。これからの季節は鍋敷きにぴったりです。春は桜を見るときお尻の下に、夏は団扇や日除けに。トイレットペーパーとしてお使いになる際は、ボラギノールの準備をお忘れなく。
さて、ここで近日発売の169号をご紹介。何の統一性もない多彩なラインナップの中から、今号一番のボリュームを誇る「21世紀文学の最前線」をピックアップしてみました。
ネットストーカー、いわゆるネトスト。SNSを監視し、コメントのやり取りから所属集団を洗い出す・FBを辿り過去の女性関係を探る。悪質なものは、思春期に書き残した、思い出すのも恥ずかしいブログまで探し当ててしまう。現代社会に生きる我々にとって、密かに私生活を覗き続けるネトストは大きな脅威である。
ところが人々は、その脅威にさらされると知りながらFacebookあるいはTwitterで、自らの情報を発信し続ける。見るもの・見られるものの病理。「21世紀文学の最前線」では、その構造を阿部公房『箱男』を参考に解き明かす。同時に、『箱男』とネトストの親和性を探っていく。
『箱男』の刊行された頃、現在のようなネットの普及はなかった。しかし、最近話題の小説には「ネトスト」そのものが登場するものが数多くある。その中から、村上春樹の『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』、朝井リョウの『何者』、藤野可織の『爪と目』の3つの作品に登場するネトスト達の所業を暴き、ネトストと文学の今後について考察する。
少し固めの内容ですが、読み応えのあるものとなっています。
他にも、ジャーナリスティックなものからとことんふざけたものまで!169号は充実の内容。
<瓦>
・預言カフェ
高田馬場にオープンした怪しげなカフェ。その名の通り「預言」をしてくれるとか。部員が潜入!
・さよなら愛の制度
突然公表された教授解任は謎だらけ。ワセコジは真相を突き止められるのか。
・姫、ご乱心
女子トイレの消音機、音姫が絶不調。早稲田の乙女を悩ます事態に、多角的に迫る。
<企画>
・BOSATU COLLECTION
新提案!ファッションモンスターじゃない。時代は、菩薩だ。
・山田革命
埼玉生まれ、埼玉育ち。冴えない童貞早大生の「人生革命」を見届けよ。
・ターヘル穴トミア
女は、穴だ。穴に過ぎない。ならばこの手で、理想の穴を作ればいいのだ。
などなど、ここに挙げた倍は、企画も瓦も詰まっています。
最新号がいち早く手に入るのは、11月2日・3日の早稲田祭。両日とも10時〜17時、早稲田キャンパス2号館前にて販売致します。90号以降のバックナンバーも手に取れる、滅多にない機会です。早稲田祭などに訪れたOBの方も、ぜひお買い求め下さい。
早稲田乞食・2013年度代表 小谷 桜
*「編集者の自腹ワンコイン広告」は各版元の編集者が自腹で500円を払って、自分が担当した本を紹介する「広告」コーナーです。HONZメールマガジンにて先行配信しています。