2冊とも動物の写真を79枚づつ選び出した写真集である。業界用語で「ありネガ」、すなわち過去に何らかの理由で撮影して保管庫やデータベースに保存していた写真を選び出したものだ。「まあ、お手軽な!」と侮るなかれ。『ぽつん』には動物が1頭だけ、『1,2,3』には3頭の動物が写っている写真を選び出している。その背後に膨大な「ありネガ」があることを想像すると恐ろしくなるほどだ。
デザインは大型の両面印刷絵葉書を平綴にしたような感じだ。切り取って額に入れてみるのも良いかもしれない。写真の大きさは151X226mmだから、額装マットは210X297mmを使うとちょうどA4の安いフレームにピッタリ入るはずだ。お気に入りの写真を4枚から9枚選び出して、それぞれを額に入れ、矩形に組み合わせて壁に掛けるとボリュームもあるし、仔細を眺める楽しみもあるだろう。
どちらか1冊といわれれば『1,2,3』をオススメする。ライオンもリスもシロクマもペンギンもイルカもオオカミも、サイの親子もゾウの親子もキリンの親子も無茶苦茶可愛いのだが、ページが進むにつれ編集者は凶悪になり、最後の数ページにはアライグマの子どもたち、ウリボウ、2頭の子供を連れているお母さんグマ、そしてパンダの子どもで締めくくる。普通のパソコンモニタでは再現できない解像度と丁寧な編集はやはり紙の出版物ならでは。
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ここでは8枚の写真を見ることができるのだが、くだんのアライグマ、ウリボウ、パンダの子どもたちの写真は掲載されていない。書店で要チェック。