今月のクーリエ・ジャポンは第2特集の「トヨタ『本当の評判』」が面白い。
まずはTIMEの記事から。トヨタのイメージは「何をやってるのか自分でもよくわかっていない自動車オタクの集団」へと変わってしまった、というくだりが目をひく。添えられている写真は、豊田社長がいかにも吊るしあげられているというアングルのもので、日本のメディアでは見ることができないものだ。
次はニューヨークタイムズ。トヨタのアメリカでのお膝元、ジョージタウンを取材している。「トヨタの過去が、トヨタの未来を守ってくれますよ」という郡判事兼郡長官。泣かせるなあ。
WSJからは元子会社エンジニアの告発記事。トヨタ式「カイゼン」は欠陥だらけだという。「カイゼン」の意味が生産現場から設計までに拡大しているようだ。
カナダのファイナンシャル・ポスト紙の記事にクーリエ・ジャポンがつけた見出しは「トヨタは米国の、米国による、米国のための”戦争”の被害者となった」だ。イルカでオーストラリアを、民主党の藤田某がアメリカを怒らせたばかりだ。せめてカナダだけでも味方になっていてほしいものだ。
おなじくシンガポールのストレート・タイムズの記事にクーリエ・ジャポンが付けた見出しは「リコール?東南アジアでは影響ありません」。アジアのムードをうまく表現している。スペインでは偏見と尊敬が交錯し、ロシアでは日本ブランドの威光に翳りがでてきたという。
第1特集は「さもありなん」という記事が多かった。特集とは関係なくニューヨークタイムスに掲載された元マイクロソフト副社長の寄稿記事が目を引いた。内容はともかく訳出された「元副社長」という肩書きは日本ではミスリードになると思う。おそらくVPは100人以上いるのではなかろうか。