今月号はお買い得だ。これで1400円は安い。素晴らしい写真と文章による冷泉家と家宝についての特集だ。現在、東京都美術館で開催されている「冷泉家 王朝の和歌守展」とリンクした特集なのだが、東京在住の人にとってもこの号を読むだけで満足してしまいそうだ。
ともかく美しい。定家の「拾遺愚草」も美しいが、俊成の「日野切千載集」には圧倒される。まさに「仮名のきわみ」だ。すらすらと読めるわけではないのだが、かな文字の絵画的なリズムに感動してしまうのだ。
紙もまた素晴らしい。「素性集」や「時明集」に使われている和紙など本当にキレイだ。この号ではそれらを単に掲載・解説しているだけではない。冷泉家の製本についてイラストで説明したページなども用意されている。
「冷泉家25代早わかり絵詞」は9ページにわたって山口晃画伯が担当している。歴代冷泉家集合図「冷泉家御歴代御組合はせの図」や『すずしろ日記』風の「冷泉家の起こり」などが入っている。