10月の朝会は久しぶりに六本木のD-Laboに戻った。
公開朝会はとても楽しかったけれど、普段はもう少し辛辣なのだ。みんな大人なので、暗黙の了解のうちに無難な話題になっていたなあ、と思う。
さて、いよいよHONZ本の完成が近づいてきた。昨晩、とりあえず校了を済ましたが、私は結構ヘロヘロであった。PCも開かず、お互いの連絡事項を見ないまま六本木に向かう電車でメールなどを見てみると…ガーン!今日の目玉にする本が、もう今日のレビュー予定に入っている。
おのれぇ、土屋…
そんなことはおくびにも出さず、にこやかに着席。前回から仲間になった、深津晋一郎、鰐部祥平、田中大輔もそろって参加。鰐部は夜行バスで愛知県から。
欠席はロンドン出張中の久保洋介、幕張メッセに貼りついている栗下直也、仕事の調整がつかなかった麻木久仁子、朝から研修のある鈴木葉月の4人。
愛知県に住んでいるので、毎回出席できるかどうか微妙な鰐部祥平。わざわざ来て、みんなカブっていたらかわいそうだからね。
日本では能とか歌舞伎、文楽なんかが登録されているが、実際、世界各国の登録は、小さな村の学芸会レベルのものもあるらしい。質を問題にするよりコミュニティを守っているようなものが選ばれるらしい。将来的にはカラオケバーも可能性があるとか。
完全に狙ったタイトルだよね、と思ったら意外にも学術書だったとか。仕事の仲間にインドネシア人が多く、招かれても辛くて食べられないので、調べてみようと思ったようだ。
知的障害を持つ妹と暮らす著者が感じた、生活のあれこれ。
会社から休暇をもらい、ラフな格好で現れた深津晋一郎。靴は流行りの五本指運動靴。
奥さんは、現在は専業主婦だが復帰することを考えて読む。労働力不足が叫ばれる中、眠っている女性の力を呼び戻すのがいいのではないか。
言わずと知れたウィキリークスの創設者。「非公認自伝」と大きく謳われているように、本人はなんとかやめたかった模様。契約は済んでいたので、仕方がなかったのかな。
いま一番ホットな話題。持ち主の弟が暴露する背景。
前回は研修で上海に行き、反日騒動に巻き込まれそうになった刀根明日香。学生メンバーは一冊だけの紹介。
5月の後の青春―アリス・ドゥボールへの手紙、1968年とその後
- 作者: オリヴィエ・アサイヤス、彦江 智弘
- 出版社: boid (2012/09)
- 発売日: 2012/09
今日の朝会を忘れていて、昨晩11時すぎに大慌てでB&Bで買ったそうだ。フランスの5月革命のときに青春を過ごしていた著者の回顧録。
誰も見たことがない本だったので、刀根はちょっと誇らしげ。
何やら大きな仕事の原稿が控えているらしく、ちょっと大変そうな足立真穂。
あの戦争から遠く離れて 私につながる歴史をたどる旅 (文春文庫)
- 作者: 城戸 久枝、、城戸 久枝のAmazon著者ページを見る、検索結果、著者セントラルはこちら
- 出版社: 文藝春秋
- 発売日: 2012/9/4
先月、文庫になった。大宅賞を受賞した傑作。中国残留孤児だった父の足跡を取材したもの。
これも文庫になったばかり。成毛、東ともに押す傑作。ユダヤ人ものというと謀略とか怪しげな話が多いけれど、この本はベースとして読んでおくべきだと思う。と強調していたら、メンバーの何人もがその場でチェック、見ている前でアマゾン在庫が一冊減った。
「誰だ?」と聞くとおずおずと手を挙げたのは鰐部。おお、なかなかやるじゃん。
川に飛び込むガキばっかり撮った写真集。田舎育ちが多いHONZ,懐かしいんじゃないかな。
HONZエディターとしての修業中。頑張る井上卓磨
「えー、この人は…」と町山智弘の説明を始めるので、ほぼ全員から「知ってるよ!」と突っ込まれる。ノンフィクション好きで町山さん知らなかったら、ちょっと問題があるよ。
長尺での観測ものが流行っているが、科学分野ではなかったらしい。
彼の今月の本代は、これ一冊で吹っ飛んだとか。アメリカの大学で国際政治学などの教科書にも使われている名著。
出張のため途中退席する村上浩
地方に出張すると衰退ぶりに驚くという。この本は東北地方の若者を例にとって、東京に出たものと残ったものの違いを論ずる。
日本の国土で持ち主がわからない、という面積は相当な数に上る。他国がそれに目をつけ買いあさっているらしい。
チンパンジーはなぜヒトにならなかったのか 99パーセント遺伝子が一致するのに似ても似つかぬ兄弟
- 作者: ジョン・コーエン、大野 晶子
- 出版社: 講談社
- 発売日: 2012/9/21
スカイプ参加の仲野徹より「僕、それ予約したよ」と声がかかる。HONZにはレビュー予定表があり、かなり先まで予約ができる。相当面白かったらしく、近々力の入ったレビューが読めるはず。
研究室の中でひとりパソコンと向き合っている(らしい)仲野徹
たくさん本が出ているカメラマンだが評伝として出色だとか。
北海道へ出張の折見つけた本。最近は女の殺人者が多すぎて、どの事件だか記憶にない。
イギリスに残る、メイドと執事がどのような役割であったかの研究書。最近の日本では「ご主人さま」と「おじょうさま」と呼べば、それでメイドと執事になれる。
HONZ本の最後に原稿が入った山本尚毅
フィンランドと青森の暮らしを比較する、という惹句で買ったら、意外と固い学術書だったそうだ。
ホワイトハウス~地上最強の権力者はいかにして選ばれるか (徳間文庫)
- 作者: 日高義樹
- 出版社: 徳間書店
- 発売日: 2012/7/6
著者はNHKのアメリカ支局長だった有名人。山本が最近請け負った仕事で、大統領選挙がらみのことがあるらしく、只今勉強中。
「最近気づいたんですが、僕、野生って言葉に弱いみたい」という発言に、「気づいてなかったの?」というツッコミ多数。
とりあえずHONZ本入稿が済んで、少しほっとした東 えりか
私の本の選択基準のなかに「鳥ものにハズレなし」というのがある。日本鳥学会100年記念の本は間違いなくおもしろいはずだ。
音の大地を歩く ~民族音楽学者のフィールドノート (地球音楽出会い旅3)
- 作者: 水野 信男
- 出版社: スタイルノート
- 発売日: 2012/9/19
民族音楽学者、ってなんて魅力的な仕事なんだろう。世界各地の音楽を巡り歩き、音の持つ力や意味を探る。
「人間秘密兵器」と呼ばれた日系人兵士の歴史
近々、HONZをモデルにした講演を行う予定の高村和久
出版業界にいると当たり前のように話される雑誌と広告との関係など、確かに外から見れば知らないだろうなあ、と説明を聞きながらぼんやり考えていた。
リフレーム ~一瞬で劇的な変化を生みだすカウンセリングの技術~
- 作者: 西尾 和美
- 出版社: 大和書房
- 発売日: 2012/7/28
心理学で「常識」のことをフレームというのだそうだ。一回、常識を壊して構築しなおそう、って本なのかな?
広告を読んでほしいと思っていた本。ノーベル平和賞受賞者の自伝。
複数の本を同時に執筆しつつ、娘さんの新婚旅行に同行(!)イタリアから帰ってきたばかりの成毛眞
成毛が大好きなビジュアル本。橋とイラストと写真、構造の説明でできている。
様々な関連本があるが、エッセイのようにうまく纏められた本。成毛はタイタニックものが大好きで非常に詳しい。
飛行機会社として有名なロッキードだが、今や世界の軍需産業のナンバーワンだそうだ。歴史的な価値もある一冊。
あまりの忙しさに家に帰れず、子供さんを恋しがる土屋敦
温泉が流れる川の写真集。魔が差した、と言っていたがなかなか風情がある。
分厚い二段組みの本。文化とメディアの世界戦争を詳しく書いてあるらしい。
タイトルがいい。大分の自然保護運動では知らぬ者がない著者。土屋は、キムラグモの発見者がどうしたこうした、とよくわからない知識を披露している。
石巻の仮設住宅に絵をかくプロジェクトが完成した新井文月
ヨーロッパで16世紀から18世紀に書かれたきのこの絵だけを集めた画集。すごくきれい。
風営法で夜中の1時を過ぎるて踊ると、なんと捕まってしまうのだそうだ。知らなかった。すでに摘発された店もあるとか、沖縄のカチャーシーが滅亡してしまう!
インタフェースデザインの心理学 ―ウェブやアプリに新たな視点をもたらす100の指針
- 作者: Susan Weinschenk、武舎 広幸、、武舎 広幸のAmazon著者ページを見る、検索結果、著者セントラルはこちら、武舎 るみ、阿部 和也
- 出版社: オライリージャパン
- 発売日: 2012/7/14
心理学を使って、インターフェイスの動線などを考える本、だそうだが、私にはちんぷんかんぷんである。
おしゃれ男子の田中大輔。今日は蝶ネクタイ。
チャンピオンズリーグの20年 —サッカー最高峰の舞台はいかに進化してきたか
- 作者: 片野 道郎
- 出版社: 河出書房新社
- 発売日: 2012/9/22
ヨーロッパのサッカーリーグの変遷。あまりにもビジネス化が進んだため、今は揺り戻しが来ているようだ。
不機嫌な夫婦 なぜ女たちは「本能」を忘れたのか (朝日新書)
- 作者: 三砂ちづる
- 出版社: 朝日新聞出版
- 発売日: 2012/9/13
『オニババ化する女たち』の三砂ちずるの新刊。女性という性別について、かなり面白い論を張っているので、私もすきな学者だ。
80年生まれで、ゲームの真っただ中で育った田中にとって、自分の歴史をちょっと振りかえるようなものなのかもしれない。
鈴木も栗下もいないので、ツッコむ相手を鰐部にロックオンした内藤順
「どこ、それ?」という問いに本文から引き説明。でもよくわかっていなかった。「僕、そこに行きましたよ」という山本の発言に全員びっくり。
連れ込み旅館やラブホテルなど、特殊な目的のために存在している宿の研究。
現代では、何でも「アート」といえば許されるようだが、アートがわからなくて当たり前だ!と主張している一冊。共感しちゃう。
さてここでタイムアップ。出かけなければならなくなった。
欠席者のオススメ本とおまけはその2に続く。
今週末にはUPできるように頑張りますよ。