B&Bという書店は楽しい。下北沢の駅から徒歩3分。1階の大衆居酒屋脇の細い階段を上がると、本好きにはたまらない香りに包まれる。紙とインクとちょっと焼けたような古い本の匂い。HONZ朝会にわざわざ来てくださったギャラリーの方々は、間違いなく本を愛しているだろうから、棚の隅から隅まで見て回っている。それができる広さ、手のひらサイズの書店、行きつけの本屋、いいんだよなあ。
なんて思いつつ、1周目の紹介が終わった。人数が多いから2周目は1冊ずつに抑えることにして、反対周りに開始。
成毛眞
注目のインド人作家による政治エッセイ集
東 えりか
「セックス アンド ザ シティ」に至るまでのニューヨーク女性文化の歴史を、まるで編みこむように紹介している傑作。女子力の極端に低い私には驚きの連続だった。
麻木久仁子
8・15と3・11―戦後史の死角 (NHK出版新書 388)
- 作者: 笠井 潔
- 出版社: NHK出版
- 発売日: 2012/9/7
ミステリー小説界の雄、笠井潔。麻木はツイッターでの発言を注目して読んでいるそうだ。
仲野徹
帰れないヨッパライたちへ―生きるための深層心理学 (NHK出版新書 384)
- 作者: きたやまおさむ
- 出版社: NHK出版
- 発売日: 2012/7/6
「スーちゃんも知らないヤツは知らんだろうなあ」とあきらめつつ紹介。若者班からは当然のように「しりまっせーん!」の声。きたやまおさむなのに…
新井文月
明日まで森アーツセンターギャラリーで展示中。ガイドブックに。
土屋敦
こちらのレビューをどうぞ。HONZオオカミ班所属のワタシには課題本。
山本尚毅
【文庫】 「長生き」が地球を滅ぼす 現代人の時間とエネルギー (文芸社文庫 も 3-1)
- 作者: 本川 達雄、、本川 達雄のAmazon著者ページを見る、検索結果、著者セントラルはこちら
- 出版社: 文芸社
- 発売日: 2012/8/2
傑作『ゾウの時間 ネズミの時間』の著者。
確かになあ、とは思うけど、身も蓋もない。
久保洋介
「こういう本を紹介するのはどうかと思うのだけど」とおずおずと取り出し「ホイチョイってところが作った」と言ったところで、麻木と私が「ホイチョイ!懐かしい」と叫ぶ。
ああ、また世代の溝がひとつ深くなった…
足立真穂
「毒母もの」というジャンルができるほど、最近は母と娘の確執をテーマにした本が多い気がする。
栗下直也
新橋ガード下系サラリーマン代表、なんて言っているが、実は栗下も若いのだ。「在日韓国人が人質を取って~」と説明するうちに、仲野が「金嬉老事件やろ」という。
昭和は遠くなりにけり。
内藤順
山手線に新駅ができる本当の理由 (メディアファクトリー新書)
- 作者: 市川宏雄
- 出版社: メディアファクトリー
- 発売日: 2012/8/29
田町と品川の間に駅ができるという噂はだいぶ前から聞いていたが、いよいよ本格化するらしい。
鰐部祥平
ジプシーについて何も知らないので、と紹介したが、私はど真ん中ストライクの本。すぐに注文してしまった。
深津晋一郎
麻木も紹介したかった本。なぎら健一らしい昭和があふれた内容らしい。
高村和久
高村は疲れたり体が弱ったりすると、口元に水泡ができるのだそうだ。いわゆるヘルペス。ある種のヘルペス菌がガン細胞を殺していくという。
村上浩
土屋のレビューにもあるように、アジア諸国は独特の乗り物が発達している。
刀根明日香
上海旅行中の刀根の推薦本を横取りしてしまったので、何かないか尋ねたら「これをお願いします」と連絡してきた。
さてメンバーの本は終了。
時間が少し残ったので、ギャラリーの人にも紹介したい本があるか尋ねると手が上がった。
前回も来てくださった浅沼ヒロシさん。
著者はとても長い時間をかけて取材をされるノンフィクション作家。最新映画も公開中。魅力的なインタビュー集だ。
最後の最後にもう一冊だけ、私から。
ロバート・デニーロ主演映画の原作で、これがノンフィクション?と驚く一冊。
30名以上のギャラリーにお集まりいただき、9月の朝会は盛況のうちに終了。しばらく公開朝会の予定はないが、10月にHONZレビュー集を出版予定なので、記念パーティでもしようかと企画中。その情報はまた追って。本当にみなさま、ありがとうございました