HONZの例会はほぼ定刻の7時に始まる。仕事や何かの事情で来られない場合は、きちんと連絡が来る。そしていつも一番乗りは代表の成毛眞だ。しかし、どうしたことか、今日の朝はいつまで待ってもやってこない。携帯もつながらないしメールにも出ない。
「寝坊かな?」
「いや、朝一番はフェイスブックが繋がってたよ」
「今は?」
「繋がってない」
「えっ、どっかで倒れてる?」
と縁起でもないことをおしゃべりしながら、まあ始めるか、とPCをモニターに接続しはじめたときにようやく到着。
「いやー、地下の駐車場で迷っちゃって…」
いつも車で来る麻木久仁子によると、駐車場が迷路みたいなのだそうだ。
今日の欠席は仕事上のトラブルに見舞われているらしい土屋敦と栗下直也。欠席者は最後に回そうということになる。
最初は久々の登場、大阪大学大学院教授、仲野徹。昨日はNatureに論文が採用されたそうですよ。難しすぎてよくわかりませんが…
http://www.nature.com/nature/journal/vaop/ncurrent/full/nature11093.html
著者は生命倫理の専門家で日本で禁止されたロボトミー手術が現代の脳科学研究とどう関わっているのかを読み解いた本だそうだ。そそられる。
無期懲役囚がつぶさに見た、獄で老い獄で死ぬということ。『ドキュメント長期刑務所』も相当面白かった。
ふとしたときに思い出す山口瞳。単行本未収録の人生相談。仲野先生にも相談してみたい。
HONZ活動記が大人気の村上浩
ロンドンオリンピックも近くなってきた。メダルが期待されるレスリングの黎明期からを書き起こした労作。
上の本がひたすら強さを求める本だとしたら、これは大山倍達亡き後の内部分裂劇を追ったもの。
今回の村上はスポーツでまとめてきた。人種による運動能力の比較。
あまりに忙しくて、得意の「超速レビュー」もままならない内藤順
ピアノを習ったことがある人なら必ず通る「バイエル」だが、ドイツではあまり知られてないらしい。私もやりましたね。
下戸の内藤は甘いものに目がない。この本は湘南で一年中開いているかき氷屋の写真集。頭がキーンとしないんだそうだ。
サッカー南アフリカワールドカップで一次予選を敗退したフランス。なぜフランス代表は崩壊したのかに迫る。
雑誌の締め切りで寝不足なので、テンションが高い足立真穂
あまりにあわただしい毎日だと、宇宙についてぽわんと考えたくなるそうだ。
AKB総選挙が話題だが、選抜に入れない思いを綴った本。足立は、本人がかいてないのではないか、という。「30代の男性みたいな気がする」真相はいかに??
ミシマ社HPに連載されていたコラムをまとめたもの。絶対に面白い。
朝会はみんな大荷物なのに、なぜか身軽な高村和久 それもそのはず、オススメ本を会社に置いてきてしまったとか。
栗下がいたら、絶対になにか突っ込むだろう一冊。著者のプロフィールのカプリ財団についての情報が飛び交う。
渋沢栄一が最後の将軍を支えた幕臣であった、という事実に驚く。
ヨーロッパの脱原発事情。多種の再生エネルギーは日本の参考になりそうだ。
新刊を目の前に積み上げ、にこやかに微笑む麻木久仁子
有能な軍隊の上層部が、なぜ神がかっていったのか。学生メンバーの刀根明日香も持ってきていて「麻木さんに教えを請いたい」と言わしめた。
2005年に起こったパリの暴動を分析した一冊。自らを「くず」と呼ぶ人間たちが、人から「くず」と呼ばれるとどうなるか。
ずっと第一線で活躍しているように思っていたけど、実は浮き沈みが相当あったそうだ。麻木さんは挫けるとオーケンの妄想ルンバをエンドレスで聴くとか。
[youtube]http://www.youtube.com/watch?v=-4BXDYExXV8[/youtube]
新しい事業形態について、常に考えているようにみえる山本尚毅
とにかく面白かった、と力説する。レビューが楽しみだ。
金沢21世紀美術館の展覧会に出品されている、すごい工芸品。まだ20代の山本は工芸や芸術の話に疎いという。写真が美しい。
地元に帰ったとき、地域振興のひとつに山岳信仰があったのだそうだ。登山するならご利益がある場所へ行くのがいいかもしれない。
オーストラリアは冬なので真っ暗で寒いと震える久保洋介 スカイプで参加。
2006年8月、冥王星は太陽系の惑星から準惑星に降格された。著者はその事件の犯人。ゴリゴリの科学書ではなく、私生活まで暴露した本だそうだ。
すでに村上と内藤が読了。ネットの炎上をどう防ぐかなどの知恵が詰まっている。
オーストラリアには文化はないので、がっつり文化論を読みたかったそうだ。
5月の終わりから超多忙で、今日のレビューも仲野先生にかわってもらった東えりか
日本人はフィンランドにどんなイメージを持っているだろうか。本書は反対にフィンランドで日本語がどう関わっているかを調査した本。
完全なジャケ買い。私自身もスキューバをやるので興味がある。
元気な老婦人の本が大好きなのだ。97歳、日本女性初の報道写真家の自伝。
毎月会うたび身奇麗になっていく鈴木葉月 かたぎっぽくないヘアスタイルにしたというので楽しみにしていた。こんな感じ。
日米戦争の天王山であるこの戦いについて、じっくり読んでみたかったそうだ。
留学していたとき、イスラエルの友人の考え方が非常に面白かったとか。
さまざまな「毒」についての科学読物。HONZメンバーのほとんどがこういう本が好き。
初めての遅刻にちょっと慌てた成毛眞
強烈な芸術家・草間彌生。若い女性が大挙して押し寄せる展覧会は圧巻。
そのへんに転がっている小石を拾い、その来歴を探ることで地球史が見える。
アメリカの金融業界で一番尊敬されている大統領はニクソンなのだそうだ。
家庭ではすばらしいイクメンぶりだという新井文月
「ツイン・ピークス」のデヴィッド・リンチの発想術。
平家の公達は滅びの和歌がうまかったという。
今年は古事記編纂1300年に当たるのだそうだ。
今日の欠席者その1 栗下直也
〈推薦コメント〉少年の凶悪犯罪って増えてるようで減ってるんだよねってのはよく知られてますが、何故ですかってところに切り込んだ本らしいです。
〈推薦コメント〉中国の最高幹部である「共産党政治局常務委員」の9人をめぐる人間ドラマ。女優のチャン・ツィイーが「ナイン」を目指していながら失脚した薄熙来の愛人だったとの報道が飛び出して、悲しさのあまり読むことにしました。
〈推薦コメント〉フリーライターが市議会議員になってみたら、糞みたいな世界でしたという話のようです。著者は現役の武蔵野市議会議員。
今日の欠席者その2 土屋敦
『ゴリラの森でうんちを拾う』(アマゾンにない)
http://www.animalmedia.co.jp/magazine/other/024.php
うんちなら土屋、という図式が成立してしまった。
これも書影さえない凄そうな本。レビューが待ち遠しい。
英国司法の新米バリスタ奮闘記。
ここで1周目が終了。意外にもカブる本が少なく、平和な朝会である。しかしみんなまだまだ隠し玉を持ってるみたい。今月読む本 その2も近々アップします。