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こんにちは。栗下直也です。先日、テレビで競馬の有馬記念を観戦しました。障害馬が挑戦すると聞いて、見てみたのですが、馬券を買っているわけでもなく、ぼけっと眺めておりました。
作家の澁澤龍彦は「群衆の中の孤独」という短いエッセイを残しています。小さい頃、父親に連れられ、中山競馬場に出かけるという書き出しです。父親が馬券を買いに行ってしまい、なかなか帰ってこなかったのがトラウマになったのか、競馬場にはそれ以来一度も行っていないと渋澤は述懐します。
私も小さい頃、親戚のオジさんにつれられ、福島競馬場に行ったことがあります。門の前に噴水があり、淵に座っていたら、オジさんがどこかに行ってしまい、とてつもなく寂しくなった頃にオジさんが視界に入りました。勢いよく立ち上がって向かおうとしたら、勢いがつきすぎたのか、真後ろに倒れてしまい、ずぶ濡れに。爆笑するおじさんに抱えられながら帰宅した記憶があります。
それから私もトラウマになり競馬場に近づかなくなりました。となれば、格好がよいのかもしれませんが、渋澤と対照的に競馬場に愛着が湧いてしまい、雨にも負けず風にも負けず通い始めました。中学生の頃には、毎週のように競馬場に行っていたら、あるとき、警備員に「きみ、何をしているんだ」と呼び止められ、「競馬場だから馬券を買うに決まっているでしょ」と素直にいって、怒られても懲りず。海外にまで競馬観戦に行って一文無しになり、送金して貰っても懲りず。そんな私もここ20年近く、一秒たりとも競馬の予想に時間をつかっていないので、人間変わるというか、不思議なモノです。「澁澤龍彦のくだり、関係ないじゃん!」と思われるかもしれませんが、そこは本のレビューサイトなんでスルーでお願いします。
さて、HONZメルマガは年内最終号です。今年一年、大変お世話になりました。年末恒例、HONZメンバーの「今年最も●●の一冊」も近日中にアップ予定です。来年も宜しくお願いします。
今週もメルマガスタートです。
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