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HONZの「今週はこれを読め!」

こんにちは新井文月です。

先日はアーツ前橋で開催されていた、イタリア在住のアーティスト・廣瀬智央さんの個展「地球はレモンのように青い」に行ってきました。

群馬の実家から向かったのですが、今年80歳になる父が珍しく「一緒に行く」と言ってきたので、二人で美術館を訪れました。父はあまり自分を語らず、いつもニコニコしており性格は人畜無害で、動物でいうとバンビのような人間です。

アーツ前橋の中は、レモンが3万個展示されているため、かぐわしい香りが広がっています。豆や苔など有機物を使った立体作品が中心ですが、シンプルなドローイングもあります。50個ほど点在する球体作品を見るなり、父は「子供が散らかした」とボソッと言い放ちました。キャプションには「宇宙を体現した」とあります。青い空を撮影した写真を見れば、父は「普通すぎてつまんねぇな」とか、言い放ちます。どうやら楽しんでいるようです。そのあとカフェで珈琲を飲みながら、今制作中の3m鳳凰を父に見せてみました。すると「顔がもの足りない」と一蹴。なんと父は、既存の価値観でない、確固たる美意識があったのでした。今さら気づく私もですが、父よ…もっと早く言ってよ!!

ちなみに現代アーティストの村上隆さんや、世界中から注目されていた良い展示でした。残念ながら7月26日で終了しましたが、父と一緒に現代アートを見れた有難い体験です。

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