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こんにちは。栗下直也です。
最近は電子書籍が増えているとはいえ、本好きの誰もが頭を抱えている問題が増殖する本にどう対応するかでしょう。
著名人による本の整理術などの本を読みますと対応策はいくつかに類型化されます。まず、「原則、売らない、捨てない」。本を置く場所をわざわざ設けたり(部屋を借りたり)、実家に送ったり。増え続ける本の維持に根気と財力がある程度必要になります。人によっては家族や親に「いい加減、売れ!」と問い詰められかねないので、誰もができる方法とは言えないかもしれません。
より現実的な解決策としては、「転居の時など定期的に大幅に整理する」、「ある特定のジャンル以外は処分する」、「電子化する」もしくは「文庫版(電子版)に買い換えて、処分する」などが挙げられます。
とはいえ、これらは。ある程度、きっちり整理できる人でないと難しいかもしれません。実際、多くの著名人が採っているのは驚くべきシンプルです。
「何もしない、あるがままに任せる」。
整理もしないし、いずれ訪れる危機(本が置く場所がなくなる)に目をつぶる。「どーにかなるっしょ」とポジティブシンキングで乗り越えようとするも、どーにもならなくて進退窮まって捨てる。ええ、勘が良い人はわかったと思いますが、私はまさにこのタイプです。
結局、このタイプの人は本をできるなら捨てたくない。でも、捨てなきゃいけない現実を受け入れられない。物理的に置く場所がなくなったら重い腰をあげるんですが、その時に、本腰を入れてやればいいものを、少しだけスペースを空けて「よし、これで大丈夫だ」と全く大丈夫でないのにその場しのぎで終わらせるから、波のように危機が訪れる。
私自身苦い思い出があります。数年前に転居に伴って荷造りするのも面倒だったので、「大都市圏は本よりも土地代の方が高い!スペースがバカにならん!ネットで中古も買える時代だし、売っちまえ」と業者にごっそり売ったのですが、その後、1ヶ月くらい空虚な気持ちになった記憶がいまだに鮮明に残っています。たまに思い出すととてつもなく切なくなります。ああ、俺の鶴田真由の写真集はどこに行ったんだろうって。これが心の傷ってやつでしょうか。
思うわけです。もしあれらの本が手元にあったらたまに手に取って、何かしらの気づきがあったかもしれない、むっちゃ面白いことが思いついたかもしれないと。ウジウジ悩むのです。面白いことなど本が手元にあった時も一切思いついていないんですが。そもそも、棚に一度入れた本は手にほとんど取りませんし。正直処分するときに「あっ、こんな本を持っていたんだ」と気づいたくらいなのに。
ですから、私の「売っちまえ」の判断はむっちゃ正しかったんですが、「ああ、なんで売ってしまったんだろうか」と未だに思い返すわけです。正直、あれらの本はいらないっちゃ要らない。いや、確実に要らないんですよ。鶴田真由写真集も、読み直すわけがない。
手元にあっても、こまめに整理するわけでもないですから、どこにあるのかわからない。結局、仕事で必要で買い求めたことも多々あったので、私、言っていることが支離滅裂なんですが。これが本好きの狂気でしょうか。
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