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HONZの「今週はこれを読め!」

こんにちは。栗下直也です。10連休が終わりましたが、みなさまいかがお過ごしでしょうか。私、肉体的にも精神的にも疲れ切っているのか連休前から調子が悪く、どうなることかと心配していたのですが、いざ始まってみたら、無駄に元気が出てきて、子供といっしょに恐竜博に出かけたり、映画を鑑賞したり、吉本新喜劇の舞台を見に行って馬鹿笑いしていたら、何だか気分が晴れやかになり、よほど日頃の仕事が嫌いなだけなのかと思ったのですが、やはり、どこか調子が悪いみたいです。

というのも、昨日、書店に行って棚をボケーッと見ていたら『男根』って背表紙が目に入りまして。「うへっ、男根」と二度見したら『男 山根』でした。かなり病んでいます。「山根」って誰だよって手に取ったらあの山根さんでした。元日本ボクシング連盟会長で、昨年7月に助成金私的流用や“奈良判定”と呼ばれた判定への不当介入などを告発され、社会的騒動を巻き起こした、あの山根さんの自叙伝です。

3月末に出たのは知っていましたが、ああ、これかと思わず買ってしまいました。「ええ、買うのかよ!」と思われたかもしれませんが、買ってしまいました。

というのも、この本が出版されたときのイベントで山根さんの発言を思い出したからです。

「自分でも7時間かけて読み、鼻水を垂らして4回ほど泣いた。人生79歳にして、このような本ができたのは、この世に生まれ、人さまを泣かせたり、迷惑を掛けずに生きてきたことで、神様が男、山根に福を与えてくれたと思っています」(2019/03/25日刊スポーツ )

いろいろ突っ込み所が多いのですが、自著(形の上とはいえ)を7時間って。アイドル時代の松本伊代がバラエティ番組で自身のエッセイ集『伊代の女子大生モテ講座』の宣伝告知の際に「私も今日初めて見たんで、まだ私も読んでないんだけど」と発言したのよりもある意味、衝撃的なエピソードかもしれません。

暑いのか寒いのかわからない天気が続きますが、空目しないようにみなさま健康にはお気を付けて。今週もメルマガスタートです。


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