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こんにちは。栗下直也です。事務局の仲尾夏樹から「今日メルマガ大丈夫ですか」といつものようにメッセージがきたので、パソコンに向かい始めました。ええ、全くもって大丈夫ではありません。
というのも、今日、朝っぱらから人間ドックにいったのですが、昨年の同時期より、はらまわりが4センチ増えていました。最近、生きているだけで息苦しいなと感じていたのですが、データとして提示され、言葉は悪いのですがメルマガどころではありません。
診察の時に「息苦しいんですけど」といったら、妙齢の女医さんに「太ったからですよ」と突き放され、ドMにはたまらなかったのですが、1月の半ばからは頭痛にも悩んでいたので、「めっちゃ、頭も痛いんですけど」と相談したら、「太ったからかな」といわれ、「ええ、まじかよ」と40歳手前の社会人らしからぬ言葉遣いで驚いてしまいました。
「それは朝から晩まで痛いんですか」とも尋ねられ、寝起きは痛いものの、夕方以降は酔っているので緩和されますと答えるのは憚られ、もじもじしていたら、やたら詳しく説明頂き、なんだか申し訳ないような気が。もしかしたら、朝痛いのも、単なる二日酔いの気もしなくもないんですが。
頭痛はともかく、腹回りはなーと、食生活を見直すぞと心に誓ったのですが、検査が終わるやいなや、ラーメンを食べ、人間は変われぬと再び落ち込んでいる次第でございます。おまえ、変わる気ないだろとの突っ込みはご容赦下さい。
とりあえず、今更ですが家に転がっている『FACTFULNESS』を開き、「俺は太っていない」という思い込みを乗り越え、肥大する腹回りと正面から向き合いたいと思います。今週もメルマガスタートです。
2月1日頃から全国約900の書店において、新潮文庫の中でも特にHONZがプッシュする最強のノンフィクション作品たちが店頭を飾ります。 対象書目は以下の通り。HONZにレビューが掲載されたもの、解説記事が掲載されたもの、それ以外のものと、幅広くセレクションしました。 HONZ厳選のBEST OF BESTノンフィクションたち。特製帯付の一冊を、ぜひ全国の書店で、手に取ってみてください。 more
内藤 順 |
閑話休題、本書は1984年フランス生まれの若き数学者ミカエル・ロネーによる数学普及運動を書籍としてまとめた一冊だ。内容を一言で説明すると、1万年以上前から現代に至るまでの数学の発見や歩みを平易かつ親しみやすい文章で紹介した数学史である。数学好… more
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本書は受けねらいのチャラい書物ではないのです。ここでキーワードになっている「情熱」には、じつはとても深い意味があって、スペインの古代から現代までの長い歴史のドラマと密接にからんでいた「全体的な生の流れとの一致の感情としての情熱」を問題にしてい… more
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ニューパワーは、良い意味でも悪い意味でも、人類の未来に大きな変化をもたらす「諸刃の剣」といえる。そうした中で、時代の大きな変化と付き合う方法を示してくれる本書は、現代の情報社会を生きるすべての人にとって、心強い道しるべとなるだろう。 more
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原節子が世間から大女優と評されるその根拠はどこにあったのか。美しい美しいと言われるその"美しさ"とは一体どのような要素でできているのか。あの世界に通じる慈悲深さと、傷つくことにひるまない強さを兼ね備えたオーラは、どのようにして彼女の中に発芽し… more
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世間にモンスターが跋扈している。患者が、消費者が、視聴者が、そして親が、モンスターとなって理不尽な要求を言い募る。今では社会現象の一つとして、対応方法のマニュアルまで製作されるほどだ。困った人の扱いには注意しろ、社会人の心得の一つである。 more
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”「ならぬ……兄弟でこのようなこと―高天原から見ている者がいるかも知れぬ」
そう言って身を引きはがそうとすると、弟は接吻で兄の唇を塞いで、
「兄上。我々は神。神に許されぬことはございませぬ。それにこれは国生みに必要な儀式でございます」――『BL古典セレクション②古事記』より”
「BL古典セレクションの編集者です」と言うと、「腐女子なんですか?」と訊かれることが多いのですが、この企画が立ち上がった2018年5月時点では、BL“も”描く作家さんの作品をいくつか読んだことがある程度でした。
ではなぜこのようなシリーズが生まれたのか?
スタート地点は「古典のおもしろい現代語訳が読みたい」×「雪舟えまさんの本を出したい」という個人的願望でした。ただ、雪舟さんは近年「緑と楯」という男性カップルの小説シリーズのみ執筆すると宣言されているので、普通の現代語訳だと受けていただけないかもしれない……と社長に相談。すると、
「じゃあBLにすればいいじゃん」
とあっさり言うではありませんか。奇しくも世は『おっさんずラブ』がブームになりはじめた頃……「BL古典」という言葉のキャッチーさもあいまって、企画はあれよあれよという間に進んでいきました。
そして10月、念願叶ってシリーズ第一弾・雪舟えま訳『竹取物語・伊勢物語』を刊行。HONZでもレビュアーの仲野徹先生から素敵な 書評 を賜りました。
今回ご紹介するのはシリーズ第二弾、海猫沢めろん訳『古事記』。めろんさんのテンポ良くユーモラスな文体は、トンデモ設定の多い『古事記』と相性がいいはず……とお願いしたところ、これが予想以上のハマり具合でした。
ヘタレ攻めの伊邪那岐(イザナギ)、男の娘にもなる天照(アマテラス)、ホスト風味の月読(ツクヨミ)、ザ・中二病の須佐之男(スサノオ)など、個性豊かな男神たちが暴れまくります。訳文の肉付けはある程度自由にしていただいていますが、一方で古典文学のおもしろさに触れるきっかけにもなるよう、本シリーズでは「話の筋を変えない」ことを大切にしています。そのため、二次創作的な楽しみ方だけでなく、BL化によって原作からどのように変化したのかを考えるのもおすすめの読み方です。
たとえば伊邪那岐命と伊邪那美命の、かの有名な国生みのシーン。原典では女神・伊邪那美が男神・伊邪那岐を誘ってもうまく国が生まれず、「女から声をかけたのがいけない」として、反対に伊邪那岐から伊邪那美に声をかけると、国づくりが成功するというストーリーです。神話なのでしょうがないのですが、現代女性の視点で考えると「女から誘ったからダメ」という描写にむむっと思ってしまうのもまた事実。それがめろんさんのBL訳では、こうなります。
”どうも国作りがうまくいかぬので、伊邪那美が困り果てて天の神様に相談してみると、鹿の肩の骨を焼く占いで、「兄の覇気が足りぬ」というお告げが出ました。
――伊邪那岐、気持ちがよくわからない……。
――伊邪那岐、やる気が見られない……。
――伊邪那岐、マグロすぎ……。
どこからともなくあたりの壁からそんなささやき声が聞こえてきました。
伊邪那美はなんとなく事情を察して、
「私の技術でなんとかいたします」
そう言い、次のまぐわいでは兄の伊邪那岐を焦らして攻めまくりました。
そうすると、兄も積極的になり、これまでのことが嘘のように続々と国が生まれていき
ました。
――「伊邪那岐命と伊邪那美命の章」より”
この原稿をいただいたとき、なるほど、受け攻めの問題だったのか!と目から鱗が落ちるような思いでした。このように性別による役割分担から解き放たれ、それぞれの個性がぶつかり合う話として読めるのもBLのおもしろさ。腐女子腐男子の方はもちろん、既存のジェンダー観に疑問を持っている方にもお楽しみいただける一冊となっております。
さて、この『BL古典セレクション②古事記』の刊行を記念して、2月25日(月)に本屋B&Bさんで刊行記念イベントを開催いたします。
「今夜はめろんと男神LOVE feat.ひらりさ〜日本一尊いボーイズラブの話〜」
出演は訳者の海猫沢めろんさんと、小5からこのかた腐女子でBL関連本の編集にも携わっている、ライターのひらりささん。
過激すぎて社長NGの出たテキスト公開など、裏話もたくさん飛び出す予定ですので、ぜひ遊びにきてくださいね。本書未読の方も大歓迎です!
ちなみに、企画当初はBLにあまり詳しくなかった私ですが、資料のBL本を読み漁ったり、書店員さんや腐女子の友人におすすめを教えてもらううちに、いつのまにかBLは私の生活に欠かせないものになってしまいました。
とはいえまだまだ旅ははじまったばかり。仕事でBLに触れられる喜びを噛み締めつつ、801段あるという腐女子の大階段、1段ずつ着実に登らせていただきたいと思います。
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