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こだわりがあるあまりに、周囲にとってはめんどくさい人っていますよね。でも、例えば、めんどくさい料理人と、こだわりの料理人ってどう違うんでしょうかね。めんどくさい料理人も葉加瀬太郎の演奏のBGMがかかって、渋いナレーションで「男はその日も朝から厨房にいた」とかテレビで流してもらえれば、どんなめんどくさそうでも、こだわりの料理人に評価が変わる気もするんですが。
こんにちは栗下直也です。何だか不思議な書き出しですが、今日はめんどくさい人と、こだわりの人の違いについて論じる気など毛頭ありません。最近、めんどくさい料理人ならぬ、「めんどくさい料理」研究家と自他共に認める山梨県在住でHONZ元編集長の新刊『男のチャーハン道』を読み始めまして、そんなことを思った次第です。
ご存じの方はご存じで知らない人は全く知らないと思いますが、本書は新書一冊分を費やして一品について突き詰める『男の~』シリーズ第三弾。ペペロンチーノ、ハンバーグに続き今回はチャーハンです。帯には「パラパラの宿敵は、あの食材だった。」とあります。パラパラチャーハンをどうつくるか。料理下手とは言え、チャーハンくらいつくる私としてもめっちゃ気になります。何気なく書きましたが、「チャーハンくらい」とか言ったら山梨の山奥から内容証明が届きかねません。なんせ、「めんどくさい料理」研究家ですから。
読み始めると、何だか嫌な予感がしてきます。第一章では広東鍋で作った場合とスキレットで作った場合で比較実験をしています。広東鍋は大きさの違いについても言及しています。章末ではバーナーで飯粒を直にあぶっています。これ、バーナーを買えとか言ってくるのかと思わず身構えてしまいます。
前作『男のハンバーグ道』を読み、ミンサーやら普通の家庭ではどう考えても汎用性がなさそうな香辛料を買い込んだ記憶が呼び起こされます。コスパの向こう側にある休日男料理とはいえ、ハンバーグを作るのに飽きたら、オブジェにもならぬミンサーの扱いに途方にくれたのが懐かしくも切ないです。
結果から言うと今回は無茶なモノを買わなくても、お店に負けないパラパラチャーハンがつくれます。意外にめんどくさくないじゃんと思ってしまっている自分がとてつもなく気持ち悪いです。免疫がつきまくりです。
巻末には、ダイジェスト的な完全版レシピが載っているので、気になるところだけ読みながら、レシピを見て作ってみるもよいし、作ってみてから気になるところを読んでみても良いかも。
以前、シリーズ第一作が出たときにHONZのメンバーが「これさ、巻末だけ読めばよくない?それでもレシピ自体めんどくさそうだし」と私にいってきましたが、そんなこといっちゃいけませんよ、村上浩。時短料理にドロップキックをくらわす、それが『男の~』シリーズです。
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