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HONZの「今週はこれを読め!」

こんにちは。栗下直也です。毎週、呑んだとか吐いたとかエロだとか書いていますが、一応、私、勤め人です。会社員にとって怖いのは、何の心当たりもなく上司に呼び出されることではないでしょうか。先日、私のもとにも「ちょっと今日、来てくれないか。話さなければならないことがある」と一本の電話がかかってきました。

どの悪行がばれたのか。もしかしたら、呑んだとか吐いたとかエロだとか書き連ねていることを叱責されるのか。気が気でない数時間を過ごしました。詳細は省きますが、上司は開口一番に「今度、技術系のニュースサイトをつくる。本の紹介をしてくれ。何でも良いから」と伝えてきました。

呑んだとか吐いたとかエロだとかで怒られずに安心したものの、戸惑いが隠せません。本当は主夫になりたいのに昼間に酒を飲んでアル中一直線が見え見えなので転進に踏ん切りがつかない私に、技術系のニュースサイトで本を紹介させると言うのはどんな狙いなのでしょうか。何かのプレイでしょうか。何でも良いといわれても、その日、私のカバンの中に入っていた本は『主夫になろうよ!』(左右社)、『三面記事から見る戦前のエロ事件』(彩図社)の二冊です。

とはいえ、社命なので、後日、自分なりにビジネスっぽくないけどビジネスにも役立ちそうな本を書店に選びに出かけました。呑んだとか吐いたとかエロだとかの分野と異なり、あまりにも対象が多すぎて頭痛がとまりません。最終的には「サラリーマンは野球が好き」って無理やり自分を納得させて、レビューを送りつけてやりました。「これで企画も頓挫だろ」と思っていたら、「栗下直也のビジネスに効くかもしれない新刊」と大層なタイトルまで編集部につけられ、今に至ります。

そのような経緯もあり、第一回の原稿を送ってから一週間以上経ちますが、二冊目が全く書けません。手元には『性欲の研究ー東京のエロ地理編』(平凡社)が付箋だらけであるのですが、主夫に転進する最終的な家族会議が開かれていないので、さすがにこれをブチ込む勇気はありません。『から揚げのすべて』(中公新書ラクレ)で昨日、書き始めたのですが、酔っ払いながら記した一文目が「サラリーマンはみんな好きだ。から揚げが好きだ」。今朝、素面で読んでモニターが涙でゆがみました。今週もメルマガスタートです。

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今週の「読むカモ!」今週のレビュー予定です(変更されることもあります)


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