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こんにちは。栗下直也です。あっという間に12月ですが、みなさん、お元気ですかー。
突然ですが、私、電車の駅のホームでは絶対に一番前に並ばないようにしています。「おまえ、ゴルゴ13かよ」と突っ込まれそうですが、ゴルゴ同様に人様に背中を見せるほど自信家ではないのです。我ながら無茶苦茶な前振りですがご容赦ください。
そのように、常に危機と隣り合わせの自覚を持ち生きている私としては見逃せない一冊が最近、出版されました。
その名も『陸軍と厠』。これは通勤電車や会議中に便意を催したことのあるサラリーマンは必読の一冊です。
戦場は危機に満ちています。いつ敵の襲撃があるかわかりません。やるかやられるかです。しかし、危機は敵だけではありません。過酷な環境下、自らの体調を崩すこともあります。大病に至らないまでも張り詰めた空気の中、兵士だって行軍中に戦闘中にお腹がいたくなることもあるでしょう。一体、彼らはどのように内なる危機と向き合っていたのでしょうか。誰もが一度は思うも、「まあ、いいか」とすぐに忘れてしまう疑問に正面から向き合ったのが本書です。
とはいえ、タイトルと装丁からは想像が及ばないほど公衆衛生の観点からガチで考察しています。
例として、野戦中の用便の方法について見てみましょう。
「戦闘中の用便は、戦闘を最優先にして極力我慢し、戦闘終了後に排泄を行うことを理想とされていたが、生理現象であるために我慢は不可能であり、やむをえない場合では将兵は適宜に創意工夫による用便を行なって」
いたらしいです。
難しく書いてありますが、なるべく我慢するべきだが、漏れるものは漏れるから、みな、頭をつかえと。では、具体的にどうしていたのか気になります。
「小便は横臥した状態で敵弾の合間を見て放尿を行なったり、大便は緊急の場合、袴と袴下を脱がずにそのまま行うケースもあり、爾後の対処として洗濯までの間は砂や木や葉等で汚物を拭い取っている」
いろいろ書いていますが、つまり、しれっと、フル装備のまま漏らせと。これって、頭つかってるんでしょうか。バレないように頭つかうのかなどといろいろ疑問は浮かびます。
みなさんも、しんどかったらしれっと漏らしてもいいのかもしれません。
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